台湾弾丸旅行~中正紀念堂編 台湾の人々は何を思うか
ここ3日間、妻と台北に行ってきました。いい身分だと言われるのかもしれませんが、飛行機はLCCで、宿泊はそれほど高いホテルではないのでそんなにお金はかかっていません。さらに繁忙期を外しているので驚くほど安い金額で行けました。今回のLCCはバニラエアを使いましたが、LCCの普及で旅行は驚くほど気軽に行けるようになりました。特に、個人事業主は休みを気楽に取れるところが大きいです。これが前職のサラリーマン社会でしたらかなり難しく、2日間有休取得は基本ありえません。サラリーマンは身分と社会保障はしっかりしていますが、その代わり、組織として動くため、自由はなかなかありません。
個人事業主になり、LCCの活用で、私たち夫婦はこれまで以上に自由に旅を楽しむことが出来る環境が整いました。
前置きはともかく、私たちは成田空港から台北桃園空港に行き、そこから台北市内のホテルに行きました。私たちにとってホテルは機能性とコスパ優先です。ムダに豪華であっても意味がないのです。コーヒーを飲んで少し休んだ後、中正紀念堂に行きました。ここでは妻が衛兵が旗を降ろすところが見たいというので行ってみました。
1.中正紀念堂
ここへのアクセスは、地下鉄の中正紀念堂駅と直結しています。ちょうど季節的なせいか、日本の高校生の修学旅行と出くわしました。結構、台湾を修学旅行先に選択する高校もそこそこあるようです。ここは蒋介石を追悼する場であると同時に、中華民国の思想を表現する場ともなっています。ですからそれぞれの建物に意味はあるのです。
どこの国でも同様に言えるかも知れませんが、軍人の規律の正しさにはやはり感心します。中国でも同様に国旗を掲揚したり、降ろしたりする姿を見ることはできますが、これほど近くに寄って写真撮影は無理でしょう。これは儀礼であるとともに、観光客に対するイベントにもなっています。
私はこの時、脳裏によぎったことは台湾は中国とどうつきあっていくのだろうかということです。実際、台湾が失地回復運動で、中国本土を回復をすることはもはや不可能でもあります。安倍晋三総理の祖父であり、首相をつとめた岸信介は蒋介石に対して、「国府が大陸を回復することは結構なことだ」と伝えています。岸政権時代と安倍政権時代は本当に隔世の感があります。
台湾にとって中国は重要な貿易相手国であり、言葉もほぼ同じです。高齢者は、閩南語を話す人が多くても、若い人は標準語です。ちなみに、地下鉄での放送は、標準語・広東語・閩南語・英語・日本語での案内があります。
領土問題などいろいろ問題はありますが、日中台はうまくつきあっていくしかありません。もちろん、国内には独立派もおり、台湾の政情も一枚岩ではありませんが、大半は中国と貿易で儲ける一方、統一すると自由もなくなるので、現状維持がいいのではというしたたかな面もあります。
そのため、国民党が中国に接近しすぎると、民進党がけん制するといううまい具合に調整する優れたバランス感覚があります。
しばし、私は台湾については古い友達と表現することがあります。中正紀念堂で軍人が旗を降ろす姿を見ているとき、ガラにもなく、台湾政情についてぼんやりと考えていました。