ライター 長井の気ままな生活

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裁量労働制は滅私奉公を求める日本企業にはなじまない

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建設業は裁量労働制を採用している会社は少なからずあり、会社側が一定の金額を給料に上乗せすれば、個人の裁量によって労働時間が決まります。

しかし、長年、建設業の労働慣習を取材してきた私にとっては、体よく企業に利用され、定額使い放題になるのがオチだと見ています。

裁量労働制はヨーロッパや中国のように個の確立がしっかりしている国にとっては、良いのかも知れませんが、滅私奉公で、お互いがお互いを監視する日本企業にとってなじみません。

それに、日本は労働組合も機能していませんので訴える場所もありません。

ハッキリ言いますと、日本の企業が性善説に立てばよく運用できる制度だと思います。しかし、滅私奉公を要求する日本企業では、この制度は望ましくないというのが私の見立てです。

特に古巣の建設業界では悪用されまくりだろうなと容易に想像できます。80年代後半から日本企業の労働環境を見てきましたが年々悪化していますし、労働者の意識も同様に悪くなっています。

滅私奉公をしなければクビになるという恐怖のもとで働いていることと、少しでも楽をしている同僚を許さず、同様に同僚にも滅私奉公を求めるサラリーマンが多いのです。

そういう意識の変化も会社側もうまく悪用して、別にカネをもらえるわけでもないのに、言葉の上だけでは重用します。

会社にとっては憎まれ役や汚れ役は必要なので、うまくおだてて全社的に滅私奉公が可能な環境にすれば、望ましいことで経営者側がこの制度を強く望むのは、会社側にとって有利だからです。

本来の裁量労働制は、「今年のノルマを達成したので、あとは1週間有休取得する」と宣言し、会社側も認めればそれは良い制度なのです。

ところが仮にノルマを達成したところで休めるかと言えばノーです。さらに上乗せされたノルマを達成せよということになるでしょう。

裁量労働制は中国やヨーロッパでは恐らくうまく運用できるでしょう。しかし、日本と韓国のように労働者の立場が悪く、労働者同士で監視し合う社会ではさらなる監視社会が待っています。

日韓はお互いいがみ合う仲ですが、労働環境は驚くほど似ていて、兄弟姉妹のようです。

結論を言えば労働裁量制は決して万能ではなく、その国にあった働き方を考えるべきです。個の確立が出来る国では望ましいですが、日本にとっては悪用されるだけです。

「経営者目線が必要」という言葉に騙されず労働者は反対すべきでしょう。