60歳から始める個人事業主~ZAITEN10月号 産経新聞 聖域なき構造改革
私も仕事柄、いろんな雑誌を買いますが、結構昔からある「ZAITEN」は今でも読んでます。特に各社広報部が恐れているのは、「クレーマーズレポート」。読者から寄せられたクレームを元に実際に取材するものです
ここの媒体は企業の敵ばかりやっていますけれど、中身は面白いです。その代わりターゲットになった企業広報はたまったものではありません。いろんなジャーナリストが書いていますが、ここで書いていることがバレるとほかで取材を受けてくれない可能性があり、「ZAITEN」固有のペンネームを使い、執筆していると思われます。
今月は、私が関心をもったページですが、産経新聞が「最期の大改革」に乗り出し、広告収入の阻害要因となっているとされる「正論路線」についても見直す方針との記事でした。
経営的に厳しいのは前々から、毎日新聞とともに言われてきましたが、過去に例のない改革をするとのことです。産経新聞の構造改革文書を見ると驚く文言が並んでいますが、これではもはや全国紙ではないなとつぶやいたほどです。
中身については同誌をご覧になって欲しいのですが、想像以上の構造改革です。
産経が比較的に読まれているのは、大阪、和歌山、奈良と東京ですが、ほかの地方は中々厳しいのが実情。ただ、厳しいのは産経だけではなく、ほかの一般紙・経済紙・業界紙ともどもどこも度合いは別として、きついことは間違いないです。
産経新聞で思い出しましたが、同社グループのフジサンケイビジネスアイはどこも本紙を見たことがないのです。同紙のネットは結構参考になる記事が多いのですが。
私は新聞については、思想の左右ではなく、どこをてこ入りすれば立ち直るかに関心をもっています。
最近、出版された漫画に「働かざる者たち」(作・サレンダー橋本氏)は買って読みましたがタイムリーなマンガで経営の厳しい毎産新聞が舞台です。この毎産新聞も同じく経営の厳しい毎日新聞と産経新聞の両方を採ったのかなと推察しました。
最後は、毎産新聞の経営はさらに厳しくなり、IT企業に買収されます。私は新聞社についてはもっている看板、コンテンツと人脈は魅力的だと考えており、やはりIT会社が買収する未来があると思うのです。
ただし、買収する方もすべてのコンテンツは不要で、東京・大阪のみを必要とし、地方と特定思想に固まった記事についてはばっさりと切っていきます。
地方ニュースは地方紙と時事通信、共同通信に任せることがコストダウンの道です。ですから地方支局及び地方通信部は全廃していきます。
そしてスリム化しつつ、稼げるメディアを志向していくことを目指すというのであればIT企業も新聞社を買収する意欲もわきます。
しかし、看板は残りますが、紙として残るかは別です。IT企業からすれば紙の情報をネットに流すというのが主流ですから、ネットニュースとして存続する可能性があります。
結局、メディアを欲しいIT企業が買収するにしても、新聞社の借金までは面倒見切れませんので、欲しいコンテンツと人脈を得ればいい話で全社員すべて雇用の確約はできません。買収される新聞社もそのあたり心得ておかないとまとまる話もまとまらないです。
M&Aはコンサルタントを間にはさみ、双方の同意をもって交渉は妥結しますが、どちらかといえば買収される側の譲歩が必要です。
新聞業界ではこの「ZAITEN」の話などで持ちきりですが、私はドライにM&Aの道はどのようなシナリオがあるか考えていますが、それが上記のようなシナリオがベストではないですが、ベターなのかと思います。