もしも希望の党が排除せず、枝野幸男氏を三顧の礼で迎えていたら
私は10月2日、枝野幸男氏が立憲民主党結党会見の場にいたが、いまや立候補者78名まで広まり、あっという間にリベラル層を中心とした支持層を拡大した。
記者会見に出席したとき、ここまで支持が拡大するとは想像もつかなかったのだ。
考えてみれば、自民党の衛星政党である「日本のこころ」は消滅寸前であるし、是々非々と言いつつ、自民党の補完政党である日本維新の会は大幅に減少する見込みであり、基本保守政党は自民党以外に需要がないのだ。
良くも悪くも自民党には人材が多い。だから自民党以外の保守政党は不要と言っても良い。保守的な経済政策を実現して欲しいのであれば、自民党に入れれば良いからだ。
ここに希望の党の判断に誤りがあった。
希望の党の小選挙区で勝てるのは民進党出身者のみでそれはもともと地盤と票田を持っている議員に限られる。小池塾出身の候補者はほとんど全滅だ。
高いお金を払って希望の党から立候補した人は何を思うのだろうか。
塾生たちはこれで私たちも国会議員になれると考えたのか。
世の中それほど甘くない。
ネットでは、民進党出身者を受け入れたから、負けるととの意見があるが、そうではない。票田も基盤のない候補者がそもそも勝てるはずもないのだ。
もう時計の針を戻すことは不可能であるが、もし小池百合子代表が、いわゆる排除の論理を行なわず、リベラル的な政策を打ち出し、枝野幸男氏を軍師に迎えていて厚遇をしていれば情勢はずいぶんと変わっていただろう。
連合票や組織の部隊も協力していただろうし、ポスター貼りなどの業務のスムーズに進んでいたはずだ。
しかし、驚いたことは立憲民主党の政策、印刷、Twitterなどの選挙運営が実に見事に進んでいる。これだけ短期間で進められたことも枝野氏に人望があったことがうかがえる。
結局の所、希望の党は枝野氏のような有力者や実力者を抱き込めなかったことに最大の失敗であった。
人を抱き込むと言うことは結構、政治の世界では重要で、小池氏はおそらく枝野氏などの実力者を党内に引き入れると自分の影が薄くなると判断したためだろう。
良くも悪くも希望の党は小池氏の独裁で決まることが多いが、小池氏が失速すると人も離れていく。
やはり組織や党を大きくするには、包容の精神が必要であるが小池氏には欠けていた。
そもそも代表以外、党三役が決まっていない政党は異様としか言いようがない。独裁政党はうまくいっていれば良いが、失速するとあっという間に転がり落ちていく。
これから希望の党も都民ファーストの会も議員の離党がささやかれているが、秋から冬に向けての政局は小池氏にとって厳しい時期になりそうである。