「フリーライターで生活ができるんですか?」という直球の質問
ある記者会見を終えた後、帰る道すがら、ある記者から、「フリーライターで生活できるのですか?」と直球な質問が来ました。
フリーで生活できるのかは現役記者からは関心が高いようで、時々聞かれることが多いのです。
私はいつも、「贅沢しなければなんとかなります」「特にローンがないので」とこのように答えることにしています。
確かに記者からすれば生活のありようについては不安であり、フリーライターに踏み切れないのはそれが大きな要因です。
その記者と話をしましたが、あの記者は公務員になったとか教師になったとかいろいろと聞きました。
紙媒体の将来性はかなり厳しいので身の振り方を考える人が多いです。本来であれば残って業界を盛り上げる役割を果たして欲しいのですが、今後の生活を考えれば、別の世界に飛び込むことについてはやむをえないと考えています。
実際、公務員になった人は周囲から、「いや絶対その方がいい。私もできればそうしたい」と祝福の言葉があふれたとの話です。
業界紙の記者の給料は当然、一般紙よりも低く、ただ生活するにはなんとかなるレベルですが、日刊紙は当日取材した内容を追い込む必要があるので、時間との闘いでもあります。
しかし、部数は毎年減っているので経営はかなり厳しいのが実情で、20年後にどれだけの業界紙が存続しているかは疑問に思っています。
私に質問した業界紙記者はそういう思いもあったのかもしれません。
ただし私は口には出しませんでしたが、webニュースライターは、業界紙記者のレベルではつとまりません。業界紙と同じ記事を書けばボツになることは繰り返しここで書いていますが、記事のレベルはまったく違います。
ですから、フリーライターで生活できるかはそれこそ人によります。
文章力だけではなく、営業力・企画力・編集者との相性などさまざまなことが求められます。
これはフリーライターだけではなく、個人事業主というのはそういうものでしょう。
フリーライターの仕事は面倒と言えばその通りで、それほど簡単ではありません。
一方、業界紙記者は発表が決まっているのでその場所で取材し、その日に入稿すれば良いのですが、ただ発表も何カ所も重なりますので調整は大変で、業界紙も記者を抱えることが大事なのですが、どこも記者は人手不足です。
「フリーライターで生活できるか」という冒頭の質問ですが、これは人によるとしか言いようがありません。道は簡単でもありませんし、誰でもできるということでもありません。
なんとも答えにくい質問でしたが、私にとっての回答はこのようなものでした。