ライター 長井の気ままな生活

気ままなライター生活を綴ります

60歳から始める個人事業主~年金で生活できるライフスタイルの終焉

私は老後が年金で生活できるライフスタイルは、日本が高度成長を続けたほんの一時期だったような気がします。

うちの父は80歳で引退し、その後の数年間は隠居生活でしたが、こういう人も今後はまれになってくるでしょう。父は恵まれた人生だったです。

田舎で生まれつつも、次男坊特有の性格なのか分かりませんが、家の手伝いよりも当時は珍しく勉強を優先し、さっさと田舎から出て、東京へと向かって勉強を続けた人です。

次男坊は田舎から出るというのは当時の運命でしたが、それはそれで気楽で良かったと思います。

どんな仕事をしていたかよく分かりませんが、生活には困らなかったのでしょう。父が亡くなった後、遺産の整理をしているうちにそこそこのお金も残っていたので、こちらも姉とうまく分け合いました。

父のような人は今後、私の一家では現れないでしょう。事実、義兄は65歳を超えて働き続けていますし、姉は先生と呼ばれる仕事に従事し、やっぱり働いています。

私もこれからも働き続けます。悠々自適で生活できるライフスタイルは難しいです。これについて妻とよく話し合うのですが、「ライターなら結構長く続けられるのでは」との助言を受けますが、わたしもほぼ同意です。妻も働き続けるでしょう。

「年を取っても働きながら生きていく」

これが日本における今後のスタンダードな人生のあり方で、書いていて身もふたもないのですが、年金だけで生活できるという発想であれば、一度、年金定期便をご覧になれば、「働かないで生きていく」というライフスタイルがいかに難しいかよくわかるはずです。

私も将来もらえるであろう年金を確認しましたがこれで生活するのはとても無理で、+個人年金でも難しいです。となるとやはり働き続けるしか選択肢はありません。

これまで働く世代というのは、大学卒の23歳~65歳まであたりですが、さらに人間の寿命は延びていきますから、これが75歳まで延伸する時代がまもなくやってまいります。

健康寿命の延びも考えれば80歳まで「働く」という選択もあり得ます。

私は50代前半ですがそう考えるとまだまだはな垂れ小僧です。人生のゴールは遠いので、その先に何があるかを目指していきたいと思います。

60歳から始める個人事業主~私がすんなりとフリーランスをすすめないワケ

個人事業の弱点を言えば、社会保険料の負担が大きいことです。私がサラリーマンを辞めた翌年の社会保険料、住民税その他の請求がガチに来たときに、国は容赦がないなとの感想を漏らしました。

フリーランスになるのもならないのも個人の自由ですが、その前に一度、ご自身で社会保険その他をいくら支払わなければならないかを計算した方がいいです。

これを計算すれば、結構なお金が取られることが分かるはずです。ですからフリーランスが甘くないというか、死角はどこにあるかといえばここの部分です。つまり、フリーランスは個人で社会保険料や税金を払う必要がありますので、この負担に耐えられるかどうかも計算する必要があるのです。

私は60歳からの個人事業主を薦めているのはこのためで、それまではサラリーマンとして頑張るのが一番コスパ的にいいと今でも思っています。

確かに自由は何事にも代えがたくサラリーマン時代よりもストレスは感じませんが、社会保険料その他の支払いは甘く見ない方がいいというのが私の実体験です。

実は私はこの計算をしたことがなかったため、これだけもっていかれることは想定していなかったというのがホンネです。

とはいえ、サラリーマンを辞めて後悔しているかと言えばそれはありません。いつかフリーランスになっていたでしょうし、その時期が諸般の事情で速まっただけに過ぎません。

こういう時にはあらためて、「サラリーマンは守られている」という感想があります。私はサラリーマンとフリーランスのメリットとデメリットを明記しつつ、どちらの人生が望ましいかについては、個人のライフスタイルによると考えています。

その一方で60歳超えたら会社も守ってくれなくなるため、個人事業主への転身を薦めているのはサラリーマンとしてのメリットが著しく失われるからです。

とはいえ、当分やりたいことがないというのであれば、私は再雇用で働くのもアリとも考えています。ただしそれも65歳までです。それを超えればいよいよ本格的に会社からの卒業が待っています。

その時に慌てふためくことのないようご自身の社会保険料所得税、住民税の計算をしっかりと事前にやっていくことが肝要です。

ちなみに60歳定年後、みな頭を抱えるのは再雇用でもフリーランスに転身した61歳時の税金と社会保険料の支払いです。

収入はがっくり落ちる反面、この支払いは60歳時の定年前の高い給料をもとに計算されますので、それなりに貯金は確保した方がいいですね。

 

 

60歳から始める個人事業主~世襲の家系でなくて良かったこと

世襲の家っていっぱいあります。やんごとなき家系からはじまって、中小同族企業、地方の名士、農家、老舗商売人、歌舞伎役者などなどです。

これだけ世襲が多い国も珍しいと感じます。本人の希望が通らないというデメリットもありますが、その反面、われわれが伝統を楽しめるメリットもあります。

自分は幸いなことに父が普通の人で、おかげさまで世襲の家ではなく、遊び人としての人生を楽しんでいます。私が父が父で良かったと今でも思っているのはこの点です。

父が世襲の家であれば私にもっと注文が多く毎日ガミガミ言っていたと想像しています。ちなみに、父を知る人から後で聞いたところによると、当時、本ばかり読んで家の手伝いをしなかったとのことです。その人から見れば父は遊び人だったのでしょう。

万が一世襲系の家であれば私自身が辛かったです。何したって将来が決まっており、私も何人か世襲の人々に仕えたことがありますが、自身がこの立場になったら辛かったです。

世の中には世襲の家系はたくさんありますが、生まれながらにしてその家を継がなければならないとわかっていて将来の仕事も社長と決まっているのであれば、私の人生は絶望しかなかったでしょう。

たとえば、「いやー私は大学では文学やりたい」と言っても、経済か法科に回されてしまい、自分の希望は何も通らないです。

それに人を束ねなければならないので、自分の気が弱くても周囲に弱音を吐くことができません。時として弱さを肯定することも必要ですが、それができないというのも辛いことです。

ましてや私のように「ライターやりたい」と希望して、周囲に話したら、なんと言われるか想像も付きません。

下手するとこういう家系ですと趣味も限定されます。

「趣味はアニメとライトノベル」と言うことすら許されなさそうです。私は国会議員の中には、深夜アニメを見ている人はいると思います。でも深夜アニメを見ていることすら後援会の人々には言えないことも辛いことです。

国会議員も今や世襲議員が多いのですが、全員が全員望んで国会議員になりたいわけではなかったでしょう。あるいは親が農家だとしても子どもは別の仕事を希望する場合もあります。

世襲の家系は将来は困らないかもしれませんが、後の人生が決まってしまうことについては本人が納得すれば良いのですが、私のような遊び人には無理ですね。

多分、親から逃亡していたと思います。私のように生来からの遊び人がいるのでしょうが、たまたまその人が世襲の家に生まれて何もかも将来や結婚相手も周囲のススメでほぼ自分の意思が通らないとなると、どうなるのかと想像したことがあります。

妻は、そういう家系に産まれたら最終的には本人も納得するのではと話しましたが、私はどう考えても納得できません。

なにを言いたいかと言えば、庶民の家に生まれて良かったと最近つくづく感じており、あえて「庶民最強伝説」を唱えたいです。

60歳から始める個人事業主~年金未加入対策

これは「60歳からはじめる個人事業主」のタイトルにそぐわないのですが、私のように50代から個人事業主をはじめた方や若きフリーランスの方へのアドバイスに近いコラムです。

実は、現役時代、建設業界の社会保険未加入問題についてコツコツとデータを調べていたときに、このままだと建設職人の生活保護者が増えてしまうという危機感を抱いたことがありました。

建設業界はご存じの方もいますが、人口構造は逆ピラミッド構造で、29歳以下の若い人は10%で、55歳以上の人は約30%で担い手の問題は大きな課題です。

現在もこの問題を追っていますが、年金をもらう年齢になってもすんなりと引退できないのは、結局のところ社会保険未加入者が多いからです。

老後破綻についてテレビで放映した際、「職人だから年金がない」と話していた姿は印象的でした。これは正確には年金に加入しなかったことであり、これからこういうケースはどんどん増えてきます。

こういっては失礼かもしれませんが、この方の年金に対する意識は低いと言わざるを得ないというのが私の感想で、そして理美容業界も同様な問題を抱え、フリーランス全体もどうなっているのかというのが今の私の関心事です。

私は年金問題は早い内に関心を寄せた方がいいという考えです。国民年金個人年金のⅡ階建てでの年金を構築した方がその人のためでしょう。

これは株や投信をやるよりもずっといい投資先です。

絶対損をしない投資先は聞かれたら、私は日本国債と答えますが、より長期的にご自身のことを考えれば、年金と答えます。

私たち夫婦は特にブランド物に関心がなく、ギャンブル嫌いでもありますが、年金問題については時々意見を交わしつつ、老後の人生設計をそれなりに考えています。

若者のフリーランスから見れば年金問題はまだ先だと思うかもしれませんが、人生は短いものであっという間にやってきます。

そして若い時代と同様に稼げるかその時になってみないと分からないものです。

日本のことわざで、「転ばぬ先の杖」というものがありますが、いざとなっても事前に準備しておけば人生に安心感が増します。

これは若者にとっては耳の痛い話かもしれません。さらにいえばサラリーマンでも同様で60歳になれば、給料は大幅に下がり、人材市場価値も下落することは事前に考えておく必要があります。

たとえば、年収250万円あたりになれば、生活レベルもコンパクト化していくことは余儀なくされますが、その時に2階建て年金があれば心に余裕も生まれます。

年金問題を若いウチから検討していけばその後の人生はずいぶん楽になることを知っておいて損はありません。

60歳から始める個人事業主~老後の居場所について

老後、よほどの金持ちであれば趣味やボランティア、あるいは町内会活動に専念できますが、これからの日本はそんな人はごく一部でしょう。

以前のニュースで、退職後、大学院に通って学び直しすることが流行っているとの話もありましたが、今の私ではとても無理です。確かに、情報収集で図書館に通うことはありますが、そうそう入り浸ることもできません。

図書館にいると株の関係なのでしょうが高齢者同士で日経新聞の奪い合いになることが多く、私も実は、「あの人早く読み終わってくれないかな」と思っています。

ですから高齢者は働く場所があって、行くところがあると言うのはかなり幸福であると思っています。

そのため、かねてより現役時代から老後の居場所を確保すべきと提起しています。しかしながら、現役時代の名刺はほとんど利用できないというのもこれもまた厳しい現実。定年退職あるあるではありませんが、「いつでも会社によってください」と若い人に言われ、それを真に受けて、本当に立ち寄ったら誰も相手に相手にしてくれなかった話はよくあることです。

ですからどんなに会社勤めで尽くしたとしても辞めたら会社との縁はそこで切れるのです。そこで私は現役時代での副業を推奨しているわけで、なにがどのような形で人との縁が生まれるかわからないものですから、いろいろと業務以外での縁を結んでいて損はありません。

縁というのは予想外の仕事も生み出すのです。

70歳になってもサラリーマンを続けるという希望があり、またそれをかなえてくれる会社があったとしても、都内の満員電車に揺られるのはなかなか辛いです。私はサラリーマンの満足度が低いのは、あの満員電車によることが大きいと考えます。

そしてサラリーマンの弱点は雇用主からの意向によりますが定額使い放題ですので、たとえば30万円月額支給すれば60万円の働きをして欲しいという考えを持ちます。

そして人間の欲望は際限がありませんからタスクを解決すれば、次の難しいタスク解決を要求されます。65歳~70歳でさらに現役社員として頑張ることが難しいのはここにあるのです。

実務をなんでもやってくれる部下をつけてくれれば、続けられますがこれは例外中の例外です。たとえぱ社長と友達、親族などの特別関係がなければ、事実上の部下がなく、なんでも1人でこなさなければなりません。

そのため、50代のサラリーマンは、今の現状に満足せず、早い内から次の後半戦の人生を生きるかを考えるべきなのです。

 

60歳から始める個人事業主~持ち家か賃貸か

フリーランスは家のことをどうするかということを考える必要があります。

これはご自身のライフスタイルにもおおきく関わる問題ですので、慎重に選択をすべきです。

「持ち家VS賃貸」論争は永遠のテーマですが、これは経験上で話した方が良いように思います。

私は、他人が独身主義者でも結婚したい派であってもそれはどちらでもいいと思います。これだけ多様化しているライフスタイルの中でいろいろな人生があっていいのでしょう。

独身主義者であるとするとフリーランスは、「賃貸」かなと漠然と思います。なるべく駅と都心から近く自由に動けるポジションが望ましいです。

一方、ご夫婦で生活し、片方がフリーランスであるとこれは持ち家派に軍配が上がりそうです。現在のライフスタイルでの家に購入に当たっては、夫婦共働きが多く、マンション取材をしていますと明らかに、夫婦の両方の稼ぎでローンを払っている現状があります。

マンションか持ち家購入を決めるのは30代~40代前半あたりです。

これが60歳あたりまで払い終えるのがベストなのですが、60歳を超えると賃金が下がるため、支払いに苦労すると推察しています。

私自身のことを言えば持ち家で、自宅が事務所を兼ねています。収入が大幅に減ったので、もしローンを抱えているとしんどいですが、一応、終わっています。このあたりクリアすると老後は少し楽ですが、私の場合、50代前半で仕事をリタイアしたため、年金問題が待っています。

私としても妻が専業主婦ですと困りますが、妻は幸いなことに働くのが好きで、お互いに攻守最強で2人暮らししています。

これが独身でしたらフリーランスは無理でした。

私はフリーランスとしてはかなり年を取っていますが、家賃の問題を考えると持ち家がベターと判断しています。

といいますのは都内近辺でも家賃は安くありませんが、頑張ってなんとか家の問題を50代~60で解決したいところです。

老後における家賃のことは率直に言いますと甘くありません。当然、家主は、60歳過ぎても容赦なく請求しますし、それに対応できるほどのお金を稼がなければなりません。

独身で軽い身であれば家を移ることはできますが、ご夫婦でも年金だけではとても無理で働き続けなければならないのです。

私が家というタスクをなるべく早く解決すべきと指摘しているのは老後の為なのです。

いろいろと書いてみて思ったのですが、人生って解決しなければならないタスクは多いとあらためて感じました。

 

 

 

 

60歳から始める個人事業主~フリーランスにおける老後の社会保障について

バブル世代ですと、みんなが財政に対して、甘く見積もると思われがちですがそれは人によります。私たち夫婦は財政規律派的な考えで、財政にはメリハリをもって望んでいます。

私は若いときからあまりフリーランスをすすめない理由は、年金問題があり、最初はサラリーマンからはじめ、厚生年金を払い続け、理想であれば60歳の定年後にフリーランスの道を選ぶのが望ましいと考えています。

私の場合は50代前半からフリーランスですが、20代~30代であれば年金問題は事前に考えた方がいいでしょう。もちろん、年金についてはなくなるという意見もありますが、国の制度ですからすべて消滅することはありません。ただし、70歳支給は十分に考えられます。

私が言いたいのは若いウチからフリーランスの道を選択した場合、収入をすべて使うのではなく、将来の社会保障を見据えて家の財政を検討して欲しいのです。

これについては生命保険会社が行なっている個人年金や証券会社の確定拠出年金も検討した方がいいです。

そしてフリーランスの欠点は稼げればいいのですが、なかなか不動産屋も賃貸についてはいい顔をしません。賃貸にすべきかサラリーマン時代から持ち家を購入すべきかクリアすべき問題はたくさんあります。

私はなんだかんだといってサラリーマンはいろいろな社会保障の観点から見て守られているとみています。なかにはこれを既得権益と非難する人もおりますが、それはさておき、守られている部分を大いに利用すべきです。

ところが60歳からの再雇用ではそれが守られなくなりますので、ここはドライになって考え、フリーランスへの転身をはかることは合理的であるとみているのです。

若いフリーランスの中には、高いバックなどを購入されている方もおります。もちろんそれに見合った収入を得ているのですから私が異議を唱える筋ではありませんが、フリーランス全員がこれだけ稼げるとは思えません。

ですので老後に備えて若い時から社会保障を完備する必要があります。フリーランスの強みはここにあるわけでサラリーマンがスキルもなく65歳あたりで引退を余儀なくされる反面、フリーランスで働こうと思えばいつまでも頑張れます。

公的年金個人年金+収入であれば、老後はかなり安泰です。私は30代から個人年金に入っており、今も毎年結構な金額を払っています。これに公的年金が加わると老後もそうそう困ることはありません。

さらに原稿代などの収入が続けば、老後不安は解消されるのではないでしょうか。私は、「下流老人」や「老後破綻」などの言葉は普通のサラリーマンを60代まで送れば無縁の言葉だと思っています。

また、フリーランスにしても若いウチから社会保障を完備すれば同様に無縁です。

ですので「老後はどうする?」という質問が来ても、私は、「まったく困ることはありません」と回答することにしています。