60歳から始める個人事業主～50代から準備する個人事業

私は60代からの個人事業を推奨していますが、50代から準備を始めた方がいいと考えています。再雇用を続けたとしても65歳が限界でそれからの食い扶持はご自身で開拓しなければなりません。

それまでサラリーマンやOLとして奮起してきた人生でしたが、自立を余儀なくされます。65歳からの人生は、言ってみれば「自立人生」であって、会社という組織の中で活躍されていた人生から、いよいよ個として生きていくことになります。

人生の「後半戦」にあたり、会社から個への変換をはかるというのはとても難しいかもしれません。それまで一応、A会社の部長だった方がいきなりこれから、個人として生きるわけですから、生き方の転換を余儀なくされます。

それまで取引業者からは、「A会社は、部長さんで持っていますから」とお世辞を言われてきたかもしれませんが、お世辞を言う方も近寄ってきません。会社の肩書きで仕事をしてきたわけですから、ある意味当然と言えます。

しかし、60歳でなんの準備もなく、明日から個人事業を開始しますと言っても現実的ではありません。50歳～60歳の間は言ってみれば、自立人生としての準備期間になるのです。

私はサラリーマン人生を50代前半で閉じましたが、どの経験もライター生活に役に立つことばかりです。相手に対する振る舞い、名刺の渡し方、ポイントをついた質問、建設業界などさまざまな業界の知識や分析手法、これらはすべてサラリーマンで培ったものです。

50代前半からライターをはじめるというのは、実は業界的にはかなり遅い方であって、現役で活躍されている方は20代後半～30代前半あたりです。その意味では遅咲きライターですが、現役時代での経験が大きく生きています。

50代からライター業をはじめたことについて、つきあいの長い方から「生活が成り立つか」など色々と心配されたことはありますが、割合に楽観主義で夫婦ともどもなんとかなると考えていました。

結果的にはなんとかなっています。これは実は特別なことをしたわけでもなく、私は60歳から独立を本来考えていましたので、独立できる体制はそれなりに整っていたのです。ですから、独立するにあたり、それなりの準備は必要になってきます。

50代から準備をはじめる個人事業ですが、実は私はあんまり深刻に考えなくてもいいと思っています。世間のみなさんがびっくりされる方があまりにも多いので、私は逆に恐縮しているときもあります。