ライター 長井の気ままな生活

気ままなライター生活を綴ります

60歳から始める個人事業主~「会社は家族」の理念は幻想です。

 色々と経営者の話を聞いている中で、よくあるスローガンに「会社は家族」を打ち出す方もおりますが、受け止め方によっては経営者の甘えと考えます。会社は、収益を上げることが最も重要で、その概念としての存在に過ぎません。

 当然のことながら会社は労働基準法を遵守する義務がありますが、すべてとは言いませんが中には、「家族だから、残業代を払わなくてもいいじゃないか」「家族だから有休がなくても働き続けろ」という会社が凄く多いのです。ですから、私は就活している人にあえて言いますが、このスローガンは、「我が社はアットホーム」と同じく気をつけるべきであると提案したいところなのです。

 これからの時代は経営者は、働き方に対して、従業員に対して甘えるべくではなく、どの業界でも働き方改革や生産性向上革命の波が押し寄せてきていますが、労働基準法などの約束事やルール遵守に真剣に取り組むべきです。

 約束事に対してなあなあさで対応すれば正社員は、不幸になります。これが役員であれば、それなりの報酬が与えられ、家族でいるメリットも高いですが、平社員に対して、家族だから団結して、見なし残業で1か月フルタイムで根性で乗り切ろうとめちゃくちゃな働き方もまかり通ることになります。こういう会社はたいていは労働組合はありません。もしこんな働き方を要求するのであればそれなりの恩賞がないと若い人は逃げます。

 まさに働き方改革の流れに、逆コースのように動いている経営者は実は少なくないのです。戦争終了時、GHQが日本の民主化を進めましたが、その後、戦前回帰の流れを見せる政治家もおり、これを逆コースと呼びました。働き方改革の動きを止めてはいけませんが、逆コースをたくらむ経営者も実に多いのです。もっともこういう経営者のもとで働く人がいなくなるので最終的には、経営者と2代目が困るのです。

 本来ならば会社側はここまで社員に要求することは労働基準法の観点から言えば、できません。そこを要求するのは、「社員は身内」という視点があるからです。「会社は家族」というのはよく言えば身内で悪く扱えば使用人です。ですから経営者が社員に甘えているのです。

 経営者の中には、「こいつは身内だな」と思うようになったら、どんなことでも言ってくる方もいます。もちろんこの経営者の甘えは社会的には許されませんが、その会社の中では通ってしまう魔法の言葉が「会社は家族」なのです。私から言わせれば、会社の役員はじめ末端の社員が協力して、法律を遵守し、収益を上げることが大事です。もちろん、会社は、社員を働かせているのですから、払うものは払うべきです。それを家族からといって残業代はみなしでいいというのは問題です。

 家族は私にとって実の身内以外使いたくありません。だいたい他の人から「オレとお前は家族だよな」と言われたら気持ち悪いです。本当に不気味で吐き気がします。会社と社員のつながりは、契約により成り立っているものです。断じて家族ではありません。日本はもっと社会契約論を経営者に徹底すべきです。義務教育で社会契約を徹底させるべきです。だから、「オレがルールだ」という経営者が多くなっているのは日本の教育に欠陥があるのです。

 それに役員であれば話は別ですが、部長クラスでも雇われに過ぎません。プライベートを返上して、会社に尽くしても、別れるときはあっという間です。ですから、社員側も会社は家族だから最後まで面倒見てくれるという思考も甘えです。社員も甘えるべきではありません。なので、社員側も会社なんて概念に過ぎないとドライな視点を持つことも大切です。

 もちろん会社は創業者がつくったものですが、社員同士で共有する共同幻想であるものと割り切って考え、理念を共有できなくなったら辞めればいいと思っています。その程度のものですから、家族と同一視するのは、大いなる甘えであり、誤りであり、幻想なのです。

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