ライター 長井の気ままな生活

気ままなライター生活を綴ります

60歳から始める個人事業主~世襲の家系でなくて良かったこと

世襲の家っていっぱいあります。やんごとなき家系からはじまって、中小同族企業、地方の名士、農家、老舗商売人、歌舞伎役者などなどです。

これだけ世襲が多い国も珍しいと感じます。本人の希望が通らないというデメリットもありますが、その反面、われわれが伝統を楽しめるメリットもあります。

自分は幸いなことに父が普通の人で、おかげさまで世襲の家ではなく、遊び人としての人生を楽しんでいます。私が父が父で良かったと今でも思っているのはこの点です。

父が世襲の家であれば私にもっと注文が多く毎日ガミガミ言っていたと想像しています。ちなみに、父を知る人から後で聞いたところによると、当時、本ばかり読んで家の手伝いをしなかったとのことです。その人から見れば父は遊び人だったのでしょう。

万が一世襲系の家であれば私自身が辛かったです。何したって将来が決まっており、私も何人か世襲の人々に仕えたことがありますが、自身がこの立場になったら辛かったです。

世の中には世襲の家系はたくさんありますが、生まれながらにしてその家を継がなければならないとわかっていて将来の仕事も社長と決まっているのであれば、私の人生は絶望しかなかったでしょう。

たとえば、「いやー私は大学では文学やりたい」と言っても、経済か法科に回されてしまい、自分の希望は何も通らないです。

それに人を束ねなければならないので、自分の気が弱くても周囲に弱音を吐くことができません。時として弱さを肯定することも必要ですが、それができないというのも辛いことです。

ましてや私のように「ライターやりたい」と希望して、周囲に話したら、なんと言われるか想像も付きません。

下手するとこういう家系ですと趣味も限定されます。

「趣味はアニメとライトノベル」と言うことすら許されなさそうです。私は国会議員の中には、深夜アニメを見ている人はいると思います。でも深夜アニメを見ていることすら後援会の人々には言えないことも辛いことです。

国会議員も今や世襲議員が多いのですが、全員が全員望んで国会議員になりたいわけではなかったでしょう。あるいは親が農家だとしても子どもは別の仕事を希望する場合もあります。

世襲の家系は将来は困らないかもしれませんが、後の人生が決まってしまうことについては本人が納得すれば良いのですが、私のような遊び人には無理ですね。

多分、親から逃亡していたと思います。私のように生来からの遊び人がいるのでしょうが、たまたまその人が世襲の家に生まれて何もかも将来や結婚相手も周囲のススメでほぼ自分の意思が通らないとなると、どうなるのかと想像したことがあります。

妻は、そういう家系に産まれたら最終的には本人も納得するのではと話しましたが、私はどう考えても納得できません。

なにを言いたいかと言えば、庶民の家に生まれて良かったと最近つくづく感じており、あえて「庶民最強伝説」を唱えたいです。