ライター 長井の気ままな生活

気ままなライター生活を綴ります

60歳から始める個人事業主~転職や事業開始については個人の意思が何よりも優先します

 私はこれまで3回ほど転職を経験してきました。その意味では転職のプロです。それぞれの職場では学ぶことが多かったと回想しています。転職についてテーマが必要でありまして、「時間に余裕が欲しい」「スキルアップ」「経験値の向上」「ジョブチェンジ」などがあります。私にとっての転職のテーマは、「経験値の向上」でした。しかし、最後、個人事業主ジョブチェンジした時は、自分がやってきたことの集大成に挑戦してみたかったという思いがありました。

 ところでよくある話しですが、転職を決めた後に会社に退職を申し出た時、会社はどんな反応があるでしょうか。中には、「はいはい、結構ですよ。それでは退職届を書式に沿って総務部長に提出してください」というケースであればまったく問題ないでしょう。本来はこうあって欲しいです。

 しかし、中には、社長が出できて、「我が社を辞めることはまかりならん」と暴言を吐いてきたらどうでしょう。実は、社長の中には社員が会社を見限って退社されることについては心から寂しいという思いを持つ人が多いのです。これは意外と知られていませんが、こんな感情を持つ社長がとても多いのです。

 最後の会社の社長の年齢は70代後半で私は50代前半です。正直、自分の息子と似たような年齢です。ある人が私に社長の思いを伝えたところ、「息子が家出した感覚のようだ。寂しい限りだ」と呟いたとのことです。その真偽はわかりませんが、それを聞いても特別に何とも思いませんでした。ただし一緒に仕事した期間は15年、はじめて出会ったのがその15年前でつきあいは30年間ほどです。私もそれなりの感慨はあったにせよ、転職については個人の意思が何よりも優先するという考えでしたので、退職を翻すことはありませんでした。

 大事なことは自分の責任で退職と転職を決めるということが大人の姿勢です。経験者のブログや本を読んで決断することは正しいにしても、転職や事業開始という大きな決断を他者に委ねることは正しい行動ではありません。私が個人事業主に転じることを決断したとき、たった1人の相談相手は妻でした。決断した後は、それぞれの関係者に退職することを伝え、「あとはよろしく」と言っただけです。引継ぎも淡々と行い、終わった後は年末まで有休申請を申し出て、一切出社せずそのまま自然に退職が決まりました。

 私は労使の関係は対等だと思っています。もちろん、上司と部下の関係があり、指示系統は明確にすべきでありますが、転職と退職にあたっては、労働者が関係を解消しようと思えば法律的には2週間で可能です。

 その時は誰かに押されたから転職・退職を決める態度で臨むよりも自分で決めたという姿勢が大切です。