ライター 長井の気ままな生活

気ままなライター生活を綴ります

60歳から始める個人事業主~遺産分与はやはり親族同士のコミュニケーションが大事

 兄弟同士や親子同士が仲が悪い、あるいは後妻を迎えたというケースで関係者がコミュニケーションの頻度が薄いとなると結構、遺産分与問題は深刻でそれがもとで喧嘩になります。

 父の資産について亡くなる数年前に姉と父とで話し合いました。他人任せの私が珍しく主導権を握り、私案を提示しましたが、私と姉にとっても悪くない案でしたので受け入れられ、父の死亡後、その通りになりました。

 これはかなりの理想型です。父は話し合うこと自体嫌がり、「オレはまだ老後がある」と言っていましたが、私と姉の意見で押し切りました。

 実際、姉も現金が欲しかったこともあり、それがいくらなのかわからないと困るというのが言い分でした。私と姉は仲は悪くないです。

 息子が50を過ぎると、親は結構な年になります。私はこの年代には、関係者を集めて遺産について相談することをオススメします。本当は親が主導して遺産分与の差配を行なうべきなのです。昨日も書きましたが親はその仕事を放棄する人がおります。ですから、お子さんが主導して話し合いの場を持つべきです。

 ただし話し合いはあくまで相続の権利がある方に限るべきです。そしてこれからは介護もありますので介護込みの相続のあり方についても事前に話すべきです。そういうところを見るとだいたい落ち着くべき所に落ち着きます。

 これからの時代、長男夫婦が必ずしも介護する時代とはいえません。これも話し合いをすべきです。

 そのため、父が亡くなる前に姉との話し合いの場をつくったことは良かったと思いました。子どもの頃から優秀な姉、ポンコツな弟と言われ続けてきましたが、結構な時を経て、面目躍如を果たしました。

 うまくいくケースを見ると「独り勝ちしない」「主導的役割を果たす人がいる」「介護を含めた公平性の高い差配を行なう」の3点がポイントになります。

 私は高齢者に言いたいことは、立つ鳥跡を濁さずではありませんが、遺産分与は、最後の決算になります。その決算の場で争うことは望ましくなく、ご自身の晩節を汚すことになります。遺産分与の差配が上手に行かなければ、一気に生前の評価が下がります。

 「なんだ生前はいいことを言っていたが、たいしたことがなかったんだな」

 そういう評価になります。ちなみに、「オレは使い切って子どもには一切残さない」

これもアリです。親の資産を必ず子どもに譲らなければならない道理はありません。

 私は、資産を残している場合、本来親が分与を差配すべきですが、使い切ると決心しているのであれば、その決心をお子さんに伝えるべきです。

 ちなみに、資産で争っている人は援軍が欲しいため、周囲に助けてくれと言いますが、一切耳を貸す必要はありません。恨まれるだけです。

 人の評価は棺をおおいて定まります。人間の真価は死後決まるものという意味ですが、最後の決算である遺産分与の差配に失敗すれば、すべてだいなしになります。