ライター 長井の気ままな生活

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60歳から始める個人事業主~退職を認めない会社への手紙

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今の日本は人材の流動性が高まり、転職することも厭わなくなっている流れになっています。

それはまあ自分が可愛いですし、給料が上がるか福利厚生がしっかりしているところに転職することは理解できます。

これは社員すれば当然の権利です。人材を流出させないためには、給料を上げるのが困難であれば福利厚生に力を入れ、働きやすい安心感のある職場環境とすべきです。

ただ、会社側からすれば辞められると困るというのも事実で、「退職認めない」などの悪質な慰留横行がまかりとっているとのことです。

私から言わせれば慰留というのはほとんど意味がないと考えています。会社から心が離れているのです。私もそうでしたが退職願をまず提出するのはやはり会社のどこかに不満か不安があるからで、それを解消したとしても、老人ばかりの会社になかなか未来を見出すことは難しいとも見ていました。

「社長にもしものことがあったらこの会社どうなるんでしょうなあ」

これは常につきまとう不安でした。そのため社長の寿命が延びて長生きして欲しいとも心から願っていました。なんかの理由がないと辞めることも難しいですし、個人事業主の独立を考えてもなかなか実行に移せなかったのが実情です。

とりあえず60才までサラリーマンを続けよう。その先は独立と思いつつも、退職にはそれなりに大義名分が必要で、私もそれなりに名分論を大事にする考えでした。

たまたま、上司ともめたことで辞められる大義名分が出来て、独立するラストチャンスができました。

社長はその上司と友達ですから、何が何でも上司をかばいます。しかし、私はもう上司とうまくやっていく自信が無いと吐露したことで、退職を認めざる得ない局面となりました。将棋の盤上で言うと上司が王様とすれば、私は飛車で、飛車を取られても王を逃がすしかないと理解していました。

この社長の判断は決して間違っていません。私が社長でもそうするでしょう。

しかしこういうことがなければ果たして退職がすんなり認められたとかというかなり疑問です。実際、退職が認められず死ぬ直前まで働かせられた人もいましたし、中小って仕事が属人化しますので、辞められると困ることから、引き止めも激しいのです。

さすがに退職届提出を強硬すれば辞められると信じたいですが、それでも辞めさせてくれないというのは日本というのは日本国憲法も通用しない無法地帯の会社がたくさんあるのです。

まあ、感覚で言うのもなんですが、冗談抜きで日本の一部の中小企業は北朝鮮を笑えないところがたくさんあります。オーナー系経営者もバランスの取れた方もいれば、私が法律だという方もいてさまざまですが、後者の経営者にあたるとやっかいで、退職すると裏切り者というレッテルを貼ることもあるでしょう。

白土三平のマンガではありませんが、カムイ伝のような「抜け忍」みたいな扱いになるかも知れません。

それはともかく、私は日本はもっと人材流動性がたかくなって、移動もどんどん思うようになればいいと考えています。処遇や福利厚生がうまくいかない会社はM&Aで吸収されてもいいですし、人材が必要なのは今後も続くでしょうが活躍の場所というのは必ずしもその会社でなくてもいいですし、別の会社の方がより能力を発揮できるかもしれません。

あるいは私みたいに個人事業主の方が向いている人もいます。そういうことであれば、会社側は退職というマイナスイメージではなくリクルートグループのように「卒業」ということで喜んで送り出す寛容な精神が必要ではないでしょうか。

私も前職を無事卒業して現在に至るわけですから多少なりとも前職には感謝しています。私の観点からすれば、「退職」ではなく「卒業」でした。