ライター 長井の気ままな生活

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ドカベン46年の歴史に幕。

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少年チャンピオンで46年にわたって続いた『ドカベン』が次号で幕を降ろします。私は作者の水島新司さんの作品はかなり読んでいるつもりですが、それでも追い切れなかった作品もたくさんあります。

子どもの頃から『ドカベン』を読んでいましたがそれも大甲子園編からは追っていません。しかも、水島氏自身の美学なのかは分かりませんが電子書籍を拒んでいるので、今から再読するとしても書斎が満杯になります。

水島氏の作品では、ほかにも『野球狂の詩』『あぶさん』が好きでしたが、あぶさんは高校3年生からで、野球の中に丁寧な人間模様や人との巡り会いを描いていました。

南海時代はそれぞれ選手だけではなく、あぶさんをとりまく女性たちの心理も実に見事に描いていました。

パリーグの選手や野球機構はもっと水島氏に感謝してもいいと思うのです。大阪に出張した折、時々大阪球場で南海の応援をし、あぶさんの看板を見たことはいい思い出です。

野球狂の詩』もいろいろな物語があってどれも素晴らしいです。そんな中、女性投手の水原勇気が登場しますが、これは当時、南海の監督兼キャッチャーだった野村克也氏に助言により誕生したのは有名な話です。

左のアンダースローで独自の変化球でワンポイントリリーフであれば可能であると野村氏の助言に基づいて水原独自の変化球「ドリームボール」が生まれます。

女性投手というと『ナックル姫』の愛称で知られた吉田えり選手が後に独立リーグで登場しますが、残念なことにコントロールなどの問題もあり、大成しませんでした。

ただ、本格的な女性投手が誕生するしたら、このタイプのピッチャーだと今でも思っています。

イメージとしては昔、西武で活躍した史上最強のワンポイントリリーフであったサイドスロー永射保投手です。

永射投手は左殺しと言われ、左打者の背中から曲がるカーブを得意としていました。一方、水原のドリームボールは、ボールがホップして沈み、そして揺れる特徴があります。

水原は、カーブやフォークも使い分けしつつ、いざとなるとドリームボールを投げます。この心理戦にセリーグの当時の打者は翻弄されていきます。

その後、『野球狂の詩』平成版も登場しますが、そこで水原は復活します。そして、山田VS水原という夢の対戦もありました。

あぶさん』はすでに完結しており、『ドカベン』も次号で完結します。しかし、『野球狂の詩』のみは掲載誌が休刊になったため、未完です。

水島氏は79歳で今でもイキイキとした絵を描いています。私としては次には、『野球狂の詩』の水原がどのように終了していくのか関心があります。

私個人としてはマンガや物語は、完結して欲しいのです。風呂敷を広げすぎて未完の物語はたくさんあります。私が水島氏をリスペクトしているのは、完結する責任感が強い方であると言うこともあります。