ライター 長井の気ままな生活

気ままなライター生活を綴ります

60歳から始める個人事業~かぼちゃの馬車で思うこと

かぼちゃの馬車がどこまで事案化していくか分かりません。それは新聞やテレビが今後とも報じていくことを追っていこうと思います。

前日、ガイアの夜明けを見ていたときに、被害者であり、かぼちゃの馬車のシェアハウスオーナーが匿名でこんな話をしていました。大手メーカーで50代男性が登場しました。年齢的には私と同世代です。

「老後のことを考え、生活レベルを落とさないためにも、投資をしたというのが本当のところ」

と語っていました。実は、かぼちゃの馬車が狙っていた世代はまさにわれわれ50代で小金を持っている中小企業部長職、大企業課長職以上の男性がターゲットにされていたのです。

こうした投資話に耳を傾け、残ったのは1億円~2億円の借金です。とても返せる金額ではありません。

銀行や運営会社を「悪」と断じることは簡単ですが、私が気になったことは、60歳以降になっても、「生活レベルを落としたくない」との発言でそこには欲も垣間見られました。

かねてから、私は60歳になったら生活をコンパクト化し、一兵卒として働くことが最も老後不安に陥らない生き方と提案してきましたが、やはりシェアハウスのオーナーとしての地位はそれなりに高いことから、このような甘言に乗ってしまったのかなと推察しています。

大手メーカーの50代ですと役職定年でもなければ年収800万円くらいは行くかも知れません。ところがこの後の人生は借金返済か破産の道が待っています。

人生、上り坂下り坂に加えて、まさかの坂が待っているというのは小泉純一郎氏が政治家時代に発言していたのですが、勝ち組と思われていた方にも、まさかの坂が待っていた事例とも言えます。

仮にこの方が年収800万円だとしても定年退職になり、再雇用になると250万円~300万円。本人からすると自己防衛のつもりで投資をしたのかもしれませんが、やはり地道に長く働くことが老後における最適な人生設計であると繰り返し述べたいのです。

加えて、本人からすると、60歳になって一兵卒で働くことについてプライドが許さなかったのかも知れません。そこに銀行や運営会社がつけこんだとも言えますが、つけこまれた側にも問題があったと私は言いたいのです。

「あなたもシェアハウスオーナーになればカネと地位が得られます」

という運営会社の甘言は想像が付きますが、50代にとっては承認欲求を満たす言葉だったのかも知れません。人生の秋を迎える50代は将来に不安を抱えて生きています。

オーナーになれば、一兵卒で働かなくても済むという計算が合ったのかもしれません。ただし世の中そうそう甘い話はなく、このような結末を迎えたわけです。

私はあんまりプライドもなく、若い広報や編集者に頭を下げるのも自然体でかつ一兵卒で働くことにもまったく抵抗のない仕事の仕方をしていましたが、60歳以降はこういう仕事の仕方を受け入れることが大事であり、「いやオレにはプライドがある」という深層心理を持った方につけ込んだ事案とも言えます。

中年はこれから役員に登れば別ですが多くの方は一兵卒になって働くことをいずれ余儀なくされます。つまらないプライドや承認欲求を捨てて、甘い投資話に乗ることのないよう生きていくのが一番いいと思います。

まだまだ続きます。