ご恩と奉公が崩壊したのに奉公だけ求める日本企業
鎌倉時代での鎌倉殿と御家人の関係は、「ご恩と奉公」によって成立したということは学校の授業で習いました。
このご恩と奉公はよくできたシステムだと思いますが、これが元寇により崩壊します。元が攻撃し、撃退したとは言え、相手の国の土地を奪うわけに行かず、結局、恩賞が少なかったので、鎌倉殿に対する忠誠が失われ、鎌倉幕府の崩壊につながったと言うことです。
日本の高度成長も上記のようにご恩と奉公によって成立したという考え方もありますが、私は割合にこの考え方に賛成です。生活も安定していたのでしょう。
ただし、その後日本企業もバブル崩壊により、社員にご恩を施すことが出来なくなった一方、奉公だけは求めるという異常な働き方になりました。
日本と韓国は兄弟のような国で、働き方もよく似ています。
しかし、同じアジアでも中国は割合にのんびりした空気が強く、一定の時間がたつと中国人が好きなダンスをみなで踊る文化があります。
ヨーロッパの働き方については、こちらのブログを是非参考にしてください。
ブログ主であるmashleyさんは、ヨーロッパについて文化、社会、働き方、家具についての造詣が深く、私も多くの示唆をいただいております。
私はヨーロッパに行ったことがありませんが、なぜ日本の働き方はヨーロッパのようにならなかったのかと時々考えることがあります。
儒教に毒されたのか、滅私奉公の文化が根付いてしまったのか、それとも旧日本軍の働き方の残滓がそのまま残ったのか理由はさまざまあるでしょうが、いずれにしても日本の働き方は望ましいと思っていません。
しかも、従業員でありつつも、「経営者目線が必要だ」と謎の理論を持ち、お互いがお互い有休を取らせないようにするという極めて異常な監視社会になっていることも日本社会に生きていて不思議に思うことです。
これは戦前の隣組の名残なのか、よくわかりません。
実は、日本はスゴイデスネーという番組を見ると違和感を強く感じます。
スゴイデスネーという外国人が日本で働く選択をするかといえば答えは恐らくノーでしょう。
彼等はニンジャやゲイシャのように日本のファンタジックに憧れても、日本の労働環境の実態を知れば、「働きたい」と思う方はいないでしょう。
今は、外国人技能実習生が多く来日していますが、主力はベトナムです。そのベトナム人も労働環境が嫌になって逃げ出し、別の所へ鞍替えするところも増えてきます。
移民論の賛否は別として、この労働環境の改善をしなければ観光で来る外国人は多数来日しても、労働者として来る外国人がどれだけいるか疑問に思う日々なのです。